クレジットカードの申し込み時に必ず記入する「年収」ですが、どのタイミングの収入を申告するべきか、また年収を低めに申告しても問題ないのかなど、疑問に思う点も多いのではないでしょうか。
さらに、カードを長期的に使い続けるうえで、年収情報を更新する必要があるのかも気になるポイントです。
本記事では、クレジットカード申請時に適切な年収申告の方法や、年収更新の必要性について詳しく解説していきます。
適切な年収申告は審査のスムーズな通過にもつながるため、カードの申込を検討している方や限度額の見直しを希望している方はぜひ参考にしてください。
【クレジットカード】申込時の年収はいつの収入を記入すべき?
クレジットカードの申し込みフォームには「年収」を記入する欄が必ずありますが、この年収欄にはどの時点の収入を記入すれば良いのか、疑問に思う方も多いかもしれません。
結論として、クレジットカードの年収欄には最新の「額面の年収」、つまり税金や保険料が差し引かれる前の総支給額を記入することが求められています。
具体的に、どのような年収額が適切かを見ていきましょう。
現在の年収が確定している場合
まず、会社員や長期間の収入が安定している方で、前年の収入が確定している場合は、その総支給額を年収として記入することが一般的です。
例えば、会社員であれば年末に発行される源泉徴収票の「支払金額」が、クレジットカード申込時に記入すべき年収額の目安となります。
これは税引き前の年収、つまり「額面年収」であり、カード会社はこれを基準に申込者の支払能力を判断しています。
フリーランスや個人事業主の場合は、前年の確定申告書に記載された「所得金額」が総支給額にあたるため、これを参考にするのが良いでしょう。
見込み年収を記入すべきケース
一方で、就職や転職から1年未満の方、あるいは事業を始めたばかりの個人事業主は、前年の収入がないか、まだ年収が確定していないケースがあります。
この場合は「見込み年収」を記入することが一般的です。
見込み年収は、現在の月収を基にした1年間の予測収入で算出します。
例えば、月収が20万円で、年間のボーナスが2ヶ月分出る場合、「20万円×12ヶ月+ボーナス40万円」で計算し、見込み年収は280万円となります。
このようにして、可能な限り現実的な年収を申告することが重要です。
年収を少なく申告するのは可能?
「高額な年収を申告したくない」という場合、年収を少なく申告することは特に違反とはなりませんが、支払能力を低く見積もられてしまう可能性があります。
カード会社は、申告年収に基づき審査や限度額を設定するため、過小に申告すると利用限度額が低くなったり、審査が通りづらくなったりする可能性がある点には注意が必要です。
また、キャッシング枠を希望する場合には、収入証明書の提出を求められることが多く、実際の収入と申告内容に差が生じると審査で不利に働くこともあります。
そのため、できるだけ正確な収入額を申告することが推奨されます。
現在無職の場合や専業主婦、学生の場合
専業主婦や学生など、収入がない方でも、特定のクレジットカードに申し込みができるケースがあります。
この場合、世帯収入や配偶者の年収が考慮されることが一般的です。
専業主婦の方であれば、配偶者の年収を参考にし、学生の場合も、親の年収などが審査に影響するケースが多いです。
無職で収入が全くない方は、基本的にクレジットカードの発行が難しいことが一般的ですが、学生専用カードなどは別枠で発行可能な場合もありますので、各カードの申し込み条件を確認すると良いでしょう。
年収欄には正確で最新の収入を記入することが大切
まとめると、クレジットカード申込時には、最新かつできる限り正確な収入額を記入することが推奨されます。
特に会社員の方は源泉徴収票を参考に、フリーランスの方は確定申告書に基づいた年収額を記入しましょう。
見込み年収の場合は、月給やボーナスを基に計算し、現実的な範囲で申告することが審査をスムーズに進めるポイントです。
収入を過小や過大に申告することで、利用限度額が変わる可能性もあるため、正確な記載がクレジットカードのスムーズな発行に繋がります。
【クレジットカード】年収を低く申告しても大丈夫?
クレジットカードの申し込みの際に「年収を低く申告しても問題はないのだろうか?」と疑問に思う方も多いかもしれません。一般的に、年収はクレジットカード審査での重要な判断材料ですが、低く申告しても大きな影響があるわけではありません。
ただし、いくつかの注意点があるため、慎重に考えることが大切です。
年収を低く申告しても審査で不利になるとは限らない
まず、年収を少なく申告すること自体は、基本的に問題とはなりません。年収を過大に申告する場合、これは虚偽の申告にあたり、不正とみなされる可能性がありますが、少なめに申告することについては、特に規制されていません。
むしろ、年収が高いのに低めに申告するケースとしては、著名な職業の方がプライバシー保護のためにわざと低く記入する場合などが挙げられます。このような場合は、審査に通るかどうかだけでなく、プライバシーの保護も考慮して申告を調整することができます。
年収を低く申告するリスクと影響
一方で、年収を低く申告すると、利用限度額が低く設定される可能性があります。クレジットカード会社は、申込者が記入した年収に基づいて、その人がどの程度の支払い能力があるかを評価します。
そのため、年収を低く申告すると、実際にはもっと高い限度額を設定してもらえるはずのケースでも、低めの利用限度額が設定される可能性があるのです。
また、年収に対して設定されたキャッシング枠やショッピング枠が影響を受ける可能性もあるため、クレジットカードを主に利用する目的をよく考えてから申告年収を決めると良いでしょう。
キャッシング枠を希望する場合の注意点
クレジットカードの申請時にキャッシング枠も設定したい場合は、収入証明書の提出が求められる可能性がある点に注意が必要です。キャッシング機能は「貸金業法」に基づくため、利用者の借り入れ過多を防ぐ目的で、年収の3分の1を超える借り入れができない仕組みとなっています。
したがって、キャッシング枠を設定したい場合は、提出する収入証明書と申告した年収額が一致することが求められ、ここで年収が低めに申告されていると、利用できるキャッシング枠が少なくなる可能性があります。
キャッシング枠が重要な方は、年収を正確に申告することが望ましいでしょう。
年収を低く申告するメリットとデメリット
年収を低く申告することには、メリットもありますが、それ以上にデメリットが生じるケースも多いため、慎重な判断が必要です。
メリット
- プライバシーを守れる:特に収入が多い方や、職業柄収入が高額な方は、少なめに申告することでプライバシー保護につながります。
- 審査が通りやすい可能性もある:高額な年収を申告した場合、審査が厳格になることもあり、低めに申告することで審査をスムーズに進められる可能性もあります。
デメリット
- 利用限度額が低く設定される可能性:年収に基づいて限度額が決定されるため、低く申告すると限度額も抑えられる傾向にあります。
- キャッシング枠が減少する可能性:キャッシング機能が必要な場合、申告年収が少ないと、設定可能な枠も少なくなります。
- カード更新時に見直しがある可能性:定期的なカード更新時に年収の再確認や見直しが入る場合があり、その際に限度額や枠が変わる可能性があります。
適切な年収申告がポイント
クレジットカードを有効に活用するためには、できるだけ正確な年収を申告することが推奨されます。
年収を低めに申告することで利用限度額が低くなり、計画していた使い方ができなくなるケースも考えられるため、特に高額な年収を持つ場合も、審査通過を意識して実際の年収に近い数字を記入するとよいでしょう。
以上のように、年収を低く申告しても大きな問題はありませんが、限度額やキャッシング枠への影響を理解した上で、慎重に申告内容を検討することが重要です。
【クレジットカード】年収の更新は必要?
クレジットカードを保有していると、年収の変更や再申告が必要か疑問に思うことがあるかもしれません。クレジットカード会社は基本的に、利用者の年収や状況に応じて適切なクレジット枠を設定しますが、年収更新が常に必須というわけではありません。ただし、利用状況やカード会社の方針によっては年収の更新や再確認が求められる場合もあります。
では、どのようなタイミングで年収更新が必要になるのか、またその方法について詳しく見ていきましょう。
年収の更新が必要になるタイミング
年収更新が必要になるタイミングは、主に次のような場合です。
1. 利用限度額の増額申請をする場合
クレジットカードの利用限度額を引き上げたいと希望する場合、カード会社は利用者の支払い能力を確認するため、年収情報の再申告を求めることがあります。限度額の増額は、より多くの利用を望む方にとって便利ですが、支払能力を担保するために最新の年収や他社からの借り入れ状況の確認が必要とされます。
たとえば、増額の際に年収証明書を提出するケースもあります。年収が上がっている場合は増額が承認されやすく、反対に下がっている場合は増額が難しくなる場合もあるため、申請前には自分の収入状況を確認することが大切です。
2. キャッシング枠の設定や変更を希望する場合
キャッシング枠を新たに追加したい、またはその金額を変更したい場合も年収更新が求められることが多いです。キャッシングは「貸金業法」に基づき、年収の3分の1を超える貸付を禁止する総量規制が適用されており、申請時に正確な年収の確認が必要とされています。
キャッシング枠を希望する場合は、源泉徴収票や確定申告書などの年収証明書の提出が求められるケースもあるため、事前に準備しておくと良いでしょう。
3. 長期間年収情報を更新していない場合
特に更新申請をしなくても、カード会社の判断で年収の再確認が入る場合があります。長期間にわたって年収が変わっていない場合や、過去に一度も更新していない場合など、カード会社が必要と判断した際には年収の確認依頼が届くことがあります。
また、転職や収入増加、減少などの変化があった場合も、更新を求められることがあります。年収情報を最新の状態にしておくことで、必要な場合に適切な限度額を維持しやすくなるため、適宜更新しておくのも良いでしょう。
年収の更新方法と必要な書類
年収更新の方法はカード会社や状況により異なりますが、一般的には以下のような手順で行われます。
1. カード会社からの通知に応じて更新する
カード会社から年収更新の通知があった場合、指示に従って年収情報を提出します。多くの場合、カード会社のオンラインアカウントやアプリを通じて手続きを進められるため、指定された画面から簡単に情報を入力できます。
また、特定の書類の提出が求められる場合もあり、通常は源泉徴収票や確定申告書、給与明細などが該当します。
2. 増額やキャッシング枠を変更する際の手続き
利用限度額の増額やキャッシング枠の変更を希望する場合、カード会社のウェブサイトやカスタマーサービス経由で申請します。この際に、最新の年収情報が必要とされるため、事前に収入証明書を準備しておくとスムーズに手続きが進みます。場合によっては、オンライン上で書類をアップロードできるカード会社もあるので、手軽に更新手続きが行えます。
年収の更新の注意点とメリット
年収更新を行うことでのメリットや注意点を確認しておきましょう。
メリット
- 適切な限度額が設定される:最新の年収を申告することで、カード利用に応じた適切な限度額が設定されやすくなり、必要な場合に限度額の調整がしやすくなります。
- 増額やキャッシング枠の承認が得やすい:正確な年収情報がカード会社に提供されていることで、増額やキャッシング枠の設定がスムーズに進む可能性が高まります。
注意点
- 収入証明書の準備が必要な場合がある:年収の再申告には収入証明書が必要になる場合があるため、源泉徴収票や給与明細などの準備を忘れないようにしましょう。
- 年収減少が影響することもある:年収が減少している場合には、限度額やキャッシング枠が下がる可能性があるため、希望の枠を確保できないこともあります。
年収の更新は適切なカード利用に役立つ
クレジットカードの年収更新は、頻繁に必要というわけではありませんが、カードの利便性を最大限に活用するための重要な要素です。とくに、限度額の見直しやキャッシング枠の変更を検討している場合には、年収の再申告が求められるため、最新の収入状況を正確に伝えることが重要です。
このように、カード利用の状況に応じて適切に年収を更新することで、快適で計画的なクレジットカード生活をサポートしてくれます。
まとめ
- クレジットカードの申込時には最新の「額面年収」を記入するべき
- 安定収入がある場合は前年の総支給額を年収として申告する
- 見込み年収は転職1年目や新社会人が使用する
- 年収を低く申告しても違反にはならないが限度額に影響する可能性がある
- キャッシング枠申請時は年収証明書の提出が求められることが多い
- 専業主婦や学生の場合、配偶者や親の収入が審査で考慮される
- 正確な年収を申告することでスムーズな審査につながる
- 利用限度額やキャッシング枠の増額には年収更新が必要な場合がある
- 長期間年収を更新していない場合、カード会社から確認が求められることがある
- カードの利便性を高めるために適宜年収を更新することが推奨される
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